暗殺計画も…原発マネー還流事件で再注目される関電の“闇”

やはりマフィアと呼ばれても仕方ないよね?

名実ともに【原発マフィア】の闇

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262664

 暗殺計画も…原発マネー還流事件で再注目される関電の“闇”

八木誠会長や岩根茂樹社長ら経営幹部20人に対する約3・2億円の原発マネー“還流”が発覚した関西電力。2日午後、大阪市内で会見を開き、福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(今年3月に死亡)から金品を受け取っていた人物の氏名や金額を含む調査報告書を公表した。20人中、豊松秀己元副社長と鈴木聡常務執行役員の2人が1億円超を受け取っていた。社内処分を受けたのは6人。八木会長と豊松秀己元副社長が報酬の2割を2カ月返上、岩根社長が同2割を1カ月返上。森中郁雄副社長、鈴木聡常務執行役員、大塚茂樹常務執行役員の3人が厳重注意と発表された。

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「(カネは)一時的に保管していた」「不適切だったが、違法性はない」

 先月27日に会見を開いた岩根社長の説明があまりにデタラメ過ぎたために世論批判が噴出。関電は、あらためて会見を開かざるを得なくなったワケだが、今回の事件を機に、俄然、注目を集めている本がある。2011年12月に発売された「関西電力『反原発町長』暗殺指令」(宝島社)だ。

 

 ジャーナリストの齊藤真氏によるノンフィクションルポで、舞台は高浜町。内容は、関電のK幹部(当時)が、核燃料を再利用する「プルサーマル計画」に反対する今井理一前町長の“殺害”を、高浜原発の警備を請け負っていた会社の幹部にほのめかしていた――というもの。K幹部は警備会社が原発の警備のために飼育していた大型犬ベルジアン・シェパード・ドッグ(マリノア)を使うことを提案し、「(町長の)喉元を犬に食いちぎらせたれや」などと発言したとされる。

体質はまるでヤクザか半グレ

 にわかには信じられない話だが、本には実行を依頼された告発者が実名で登場。今井前町長も齊藤氏のインタビューに応じた際、「ワシの喉笛を凶暴な犬に食いちぎらせるという、あの話や」と、計画を知っていた場面が出てくるのだ。そして、この本の中で高浜町の「陰の仕切り人」として登場し、「通称エムさん」と呼ばれていたのが森山氏だったという。



 いやはや、民間とはいえ、極めて公共性の高い電力会社が、自分たちの意にそぐわないからという理由で町長の“暗殺”を水面下で計画するなんて、ヤクザや半グレと変わらない。サウジ記者殺害事件さながらだ。

「今井さんは保守系ながら、リベラルな考えの持ち主で、本気でプルサーマル計画の危険性を不安視していた。Kは今井さんと怒鳴り合いの喧嘩を繰り返し、周囲に『今井のヤロウを殺してやりたい』と漏らしていた。皆、知っている話です」(地元関係者)

 

日刊ゲンダイ記者が町内を取材すると、“暗殺計画”は広く知られていて、今井前町長の息子も「本人は高齢ということもあり、見解を示すことは控えたいと申しております」と言いつつも、「過去にそういった報道があったことは承知しています」と否定しなかった。

 K幹部はまた、「町をうちのもんにしたらええやないか」とも発言していたといい、原発推進のために町議会の過半数の議員を関電関係者で押さえることも画策していたらしい。これほどのメチャクチャを、一幹部が独断でできるはずがない。会社ぐるみで動いていたと見られても仕方ないだろう。

 八木会長や岩根社長は、森山氏から「オレの顔を潰す気か」とすごまれたため、仕方なくカネを受け取ったみたいな説明をしているが、同じ穴のムジナ。それなのに「死人に口なし」で逃げ切りを図ろうとする姿勢がミエミエだ。検察は一刻も早く動くべきだ。