森人脈ズラリの「怪しすぎる財団」が…組織委会長辞任でも消えない利権の臭い(日刊ゲンダイDIGITAL)

 

 

 差別発言が国内外から猛批判を浴び、辞任に追い込まれた東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長。後任選びが迷走する中、“五輪マネー”に関する新たな疑惑が国会で取り上げられた。

 

  森喜朗会長がトップを務める財団が突然の「活動終了」…東京五輪中止の“前兆”か 

 15日の衆院予算委で、立憲民主党斉木武志衆院議員が、森会長とかかわりが深い「一般財団法人日本スポーツレガシーコミッション」なる団体について質問。日本オリンピック委員会JOC関係者の間では、五輪の剰余金がこの団体に贈与されると言われているというのだ。 

 

 役員一覧を見ると、「レガシーコミッション」の最高顧問は森会長と御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長CEOの2人。御手洗氏は、森会長の後任会長候補を選ぶ組織委の「候補者検討委員会」の委員長も務める。  さらに、理事長は遠藤利明元五輪担当相、理事には山下泰裕JOC会長、評議員馳浩文科相や組織委の武藤敏郎事務総長など、“森人脈”がこれでもかと名前を連ねている。 

 

 団体は昨年3月12日に設立され、所在地はJOCが入っているビルの10階に置かれているが、電話番号は非公開。  斉木議員が連絡先を入手して電話をかけてもなかなかつながらず、7回目でようやく通じたが、先方の職員は「来られても困る」「すべて遠藤利明さんがやっているから、遠藤さんに聞いて欲しい」の一点張りだったという。

 

そこで遠藤事務所に問い合わせたところ、「事務局に聞いてくれ」とたらい回し。斉木議員は「実際にどんな活動をしているのかも分からない」と指摘していたが、こういう怪しげな財団に東京五輪の剰余金が流れる可能性があるというのだ。

 

 ■五輪剰余金の受け皿に?  長野冬季五輪では45億円、平昌冬季五輪では62億円、夏季のロンドン五輪では46億円の剰余金があったとされる。  組織委の定款には、清算時の残余財産は評議員会の決議を経て「国」、もしくは、「地方公共団体」「公益法人」に贈与できるという規定がある。 「週刊新潮」(2020年2月13日号)によれば、「レガシーコミッション」の設立者は、森会長が代表理事を務める〈一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター〉で、「この新財団をゆくゆくは公益財団法人にして、東京五輪終了後の剰余金の受け皿にするのではないか」という文科省関係者のコメントも紹介していた。 

 

 不透明なのは後任会長人事だけではない。どこを掘っても森人脈と利権が根を張る「#モリンピック」。森氏が会長を辞任しても、利権構造は温存されるのか。国会は、もっとこの問題を詰めるべきだ。