最低限、生き抜くだけのライフスタイル

東海アマさまのブログより

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最低限、生き抜くだけのライフスタイル

 

 消費増税がとうとう実施され、日本国民は、あらゆる消費に10%もの税金を搾取されることになった。
 商品の価格の一割が税金になったわけだが、これは生活に与える影響は半端ないものがある。消費税のなかった時代に比べて、可処分所得=給料が一割も剥奪されたのだ。
 誰もが、増税後、買い物に出かけてレジで料金を告げられたとき、「高い!」と違和感を感じたはずだ。

 消費税の一割は、増税前のライフスタイルを考えると、いわゆる「ちょっと贅沢」な支出に使われていた。例えば、エステに行ったり、スポーツジムに通ったり、美容整形してみたり、高級な化粧品を買ったり、車も普通車のマシなのを買ったり、ちょっと美味しいレストランで食事したり…… というわけだ。

 これらの支出に充てていた給与の一割が消えたわけだから、当然、切り詰めやすい支出から切り詰めてゆかねばならない。
 そんなわけで、これまで半月に一回の床屋や美容院が、月に一回とかニケ月に一回とかになり、エステやジムはやめておき、化粧品も安価な一般的なもので我慢する。
 レストランは金がかかりすぎるので、せめてラーメン屋に格下げだ。飲み屋通いも、高級な店はやめて、養老の滝とか鳥貴族とかに変えた。

 外に出る機会も減り、なるべく安価な弁当やインスタント食品ばかりの自炊で済ませる。毎日行ってた喫茶店も、週に一回程度にしよう。
 食品がメインのドラッグストアでも、会計カウンターに見える商品は、みんな安いものばかり。日清のラーメンは高いので、半額程度で買える二流メーカーのものばかり売れる。生活に差し迫らない高額商品は、本当に売れなくなった。

 みんな、「最低限、生き抜くためのライフスタイル」を模索するようになった。
 私も、年金が、尾畠春夫さんと同じ月5万円しかないので、毎月の食品を2万円以下にしないと食べてゆけない。贅沢なんか一切許されない。
 国民年金しかなかった人は、満期支払っても平均5.5万円しかないので、みんな私と同じで、食費を切り詰めるしかない。
 衣類なんかは、30年くらい前に買ったものを、未だに着ている。綻びも自分で針仕事をして直す。

 とにかく、最低限必要なものしか買わない。高級品には手を出さない。旅行もいかない。たまに近所のスーパー銭湯温泉に行くくらいだ。
 酒は、肝臓が悪くて飲めないはずだが、なぜか安い焼酎を湯割りで飲まないと寝られない。全身、病気のデパートみたいで、余命宣告クラスなのだが、病院は金がかかるので行かない。
 毎朝、近所の低山を歩き回っていることで、病気を治しているつもりになっている。医療にかからないおかげで命が永らえているのだ。

 「ギリギリの生活」とは、このことだ。本当は、福島に行って土壌サンプルを採取し、放射能を測定していたいのだが、旅費がかかりすぎて、生活できなくなってしまう。
 このブログも日1万アクセスに達したので、閲覧一回に1円くらいカンパいただいて、活動資金にしたいと思っているが、「そんな値打ちがあるのか?」という声が聞こえてきそうで、なかなか踏ん切りがつかない。

 まあ、日本中の非特権階級が、私と同じ生活苦を感じるようになっていると思う。バブル時代のように、思いつきで無計画に金を遣うことなど、とてもできなくなっている。
 こうなると、そうした思いつき散財、浪費趣味に依存した生計手段を作っていた人たちは窮地に追い込まれることになる。
 例えば、生活に差し迫った必要を感じない高級品だ。家具とか、医療品とか、おもちゃとか……。
 すると、そういうものを作って生計を立ててきた人が、生活がたちゆかなくなってしまう。日本中の中小零細企業が倒産の危機に直面させられるのである。

 大金持ちが儲かってるのだから、高級品がバンバン売れそうにも思うが、現実は、大金持ちだろうと、貧乏人だろうと、消費の水準に大きな差はない。
 金持ちが少しばかり余分に買っても、貧乏人が買えない方が桁違いに深刻な結果を招くのである。

 今はマイナス金利の時代だから、銀行に金を預けても、ほぼ金利はつかない。昔は利子で生活していた人が、いくらでもいたのだが、今は、タンス預金にすると泥棒に狙われるから、仕方なしに預金している人が大半だ。

 しかし、もしも今月末(2019年10月末)に副島隆彦が報告したように、ドイツ銀行の破綻が起きると、世界中がとんでもない経済的大混乱に陥るのは必至である。
  何せ、実体経済が8000兆円しかないいのに、6京円の虚構経済が大爆発を起こして、どこかに消えてしまうのである。

 例えば農林中金(農協の金融機関母体)は、世界中の理財商品(デリバティブ)のCLO・CDSを20兆円以上も買い込んでいるといわれる。みずほ銀やゆうちょ銀行も同じだ。
 CDSというのは債権保障保険のことで、会社が不渡りを出したとき、その債権を保障するもので、CLOというのは、銀行が会社に貸し付けた債権を、切り貼りにして証券化したものだが、いずれも、会社が倒産すると、泡のように消えてしまう金融商品である。

 ドイツ銀行の発行するCDSは、総額で8000兆円を超えているといわれるが、その詳細は頭取でさえ分からない。細切れの切り貼りで、一つの証券に数十ものCDSが含まれているが、そもそもCDS・CLOを契約するような企業は、業績が不安定で、信用がないため、そんな契約がないと相手にしてもらえず、仕方なしに加入させられるのである。
 この構図は、ちょうど2007年、リーマンブラザーズがサブプライム(貸し付け不適格者)への貸し付けを細切れ証券にし、それにトリプルAという評価をつけて販売した金融詐欺とまったく同じものである。

 だから、今回も、いったん破綻が始まると、次々に連鎖して、あっというまに1000兆円クラスの債権・証券が、この世から消えてしまう仕組みになっている。
 そうすると、上にあげた農林中金やゆうちょ銀は、数十兆円という損失を被り、存亡の危機に立たされる仕組みだ。
 みずほ銀は、ソフトバンクの数十兆円の負債も被るので、まず助からない。

 こうした事態が、年内に勃発する可能性が強まっている。
 今度は、リーマンショックのときのような180兆円程度の損失では絶対に済まないので、アメリカですら収拾不可能である。
 何が起きるのか? というと、日本政府は、想像を絶するような金融緩和、アホノミクス第4の矢を放ち、各銀行の負債を極端に薄めて、負担を軽減することになる。

 つまり、日本経済の資金総額を数倍に増やし、円の価値を下落させる。すると、もちろんハイパーインフレが勃発し、物価は現在の数十倍、数百倍に達することになる。
 というより、日本国民の保有している1800兆円を超える金融資産の価値が、数十分の一に下落する。
 もちろん世界同時に金融危機が起きた場合、日本の信用度が高いため、日本国債が世界に買われることなり、どの程度まで下落が起きるのかは、今のところ、起きてみなければ分からない。

 しかし、日本国民の預貯金が無事に済むことはありえない。
 というわけで、地球経済全体が未曾有の大混乱に陥り、直接の影響としては、銀行の大量倒産により為替業務に支障が出て、国際的な貿易決済が不可能になる。
 つまり輸出入が止まる。

 リーマンショックのとき、世界中で、航行中の貨物船や、航空機が、燃料代の決済ができなくなって、身動きがとれずに停止させられたニュースを思い出していただきたい。
 あのときは、数日程度で収束したので大きなニュースにもなっていないが、今回は桁が違うので、世界中で身動きが取れなくなる貿易貨物輸送が大量に出て、備蓄が切れたら石油や食料の価格が暴騰することになる。

 輸出入ばかりに依存して、自給経済を極度に軽視してきた自民党の経済政策の下では、いよいよ、本当に食糧危機が起きると、私は何度も書いてきた。
 だから、数ヶ月程度の食料備蓄はしておくべきで、今回の台風でもそうだし、来たるべき南海トラフ巨大地震の場合も、もう備蓄がなければ、どうすることもできなくなる。
 生活資材が不足したときに面倒を見てくれる友人を、どれだけ持っているか?
 いや、みんなが同じように生活資材に本当に困ることになる。

 もう一度、言うが、ドイツ銀行の破綻から、農林中金保有しているデリバティブ証券が紙くずになってしまったとき、CDSソフトバンクの株を持っている金融機関から現金も資本も消えてしまう。
 ゆうちょ銀行が、支払い資金を失って、預金封鎖を行ったとき、ゆうちょ銀行に頼った日銭で生活している人たちは、たちまち生活資金を失ってしまう。

 これは消費増税どころの騒ぎではない。例え、給料の額面が保証されていても、20万円の手取りで生活している人たちが買える商品は、以前の2万円分程度しかないハイパーインフレがおきるのだ。  

 だから、私は「金が通用しない社会がやってくる」と書いた。
 もう金の価値が薄まって、やがて誰からも相手にされず、生きてゆくのに最低限必要な、食料品の現物の価値が最大級に上がるのである。
 すると、食料を自分たちの手で生産するのが、もっとも理に適ったライフスタイルということになる。

 かつて、ハイパーインフレを起こした国家はたくさんあった。しかし、いずれも農業国だったので、国民に大量の餓死者が出たとの情報は聞いていない。
 とりわけソ連の場合は、民衆がダーチャと呼ばれる農園を保有していて、ここで大量のジャガイモを栽培していたから、これで数千倍ものハイパーインフレに耐え抜くことができた。

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 だから、私は当ブログで、これから我々が生き抜いてゆくために一番必要なものは、共同体ダーチャだと繰り返している。

 おおむね、10~20名程度の共同体をイメージした互助会を作り、過疎地の安い農地を共同で購入し、ジャガイモやサツマイモを生産することで生き抜くことができる。
 生活拠点を都市から過疎地に移し、私有財産の価値観を否定する思想的共有が必要になると考えている。
 そんな大混乱の日が、刻一刻と迫っているように感じているのは、私だけではないと信じたい。